ボブ・ディラン の "With God On Our Side" の翻訳である。原詩は bobdylan.com > "With God On Our Side" にある。
1963年に作られたというから、ずいぶん古い歌で、ディランが反戦フォーク・シンガーだと思われていた頃によく歌われていたらしい。レコードでは、"The Times They Are A-Changing (1964)" と "MTV UNPLUGGED (1995)" に収録されている。後の方の演奏では、元からある詩の5番と6番が省略されている。上の訳詩でも、同じように、5番と6番をコメント・アウトしている。
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友人の一人が、同じように、最近、この歌を訳した。彼は言う、
ボブ・ディランの古いアルバムに、With God On Our Side という素朴なメロディの曲が収められている。1963年、ディラン、21歳。公民権運動や反戦活動のさなか、時代の寵児として祭り上げられていた頃の作品である。それからおよそ30年の歳月を経てかれは「MTV Unplugged」と題された音楽番組収録用のコンサートのアンコールでこの曲を歌っている。アメリカのあの衝撃的なテロ事件が起こってから (それは奇しくも、ディランの21世紀はじめてのアルバムが発売された日でもあったが)、私はテレビのニュースを見るたびに、米国人であるディランはいまどんな気持ちでいることだろう、としばしば思いを馳せていた。そしてそれはきっと、前述したライブでのかれの演奏に近い気持ちではないか、と思っていたのだった。原曲より、さらにテンポを落として、歌はまるで教会の祈りの聖句のように、さりげなく、だがある種の侵しがたい緊迫感と最後の切実さをもって歌われる。(そう、バトンを渡されるあの厳かな瞬間だ。勇気のあるものは手をのばし、かれの顫える指先からそれを受け取りたまえ ! ) 曲が終わり、気力のすべてを使い果たした歌い手は、ステージの奥へ帰っていく。あとには淋しい残像と問いがひっそりとカケラのように散らばっている。「わたしはひどく疲れ果てた / わたしの感じている混乱は、とても言葉では言い表せない」 それはあの日以来ずっと感じている、わたしの気持ちと同じものだ。だからわたしは今宵、しずかな月夜の晩に、その歌 With God On Our Side を祈りの聖句のように訳した。この歌の語り手とおなじように、私には何ひとつ、なすすべがない。
2001.10.30 深夜
まれびと まれびと/village idiot 「ゴム消し」から
この人は、いつも、それこそ私が言いたかったことなのだ、と思わせるようなことを言う。本当は、彼が言うのを聞くまでは、私はそんなことは思ってもいなかったのかも知れない。しかし、誰が最初に言ったとか、誰が言ったとかは、小さなことだ。
彼の訳した詩も読んで欲しい。そして、出来るなら、MTV Unplugged で歌われている歌をあなたにも聞いて欲しい。