その昔、小学校の1-2年だったと思う、「家から学校までの地図を書きなさい」という宿題が出た。
僕は一瞬、気が遠くなった。家から学校までは 4.5 km ぐらいある。道は長くて曲がりくねっているのだ。枝道だって数知れない。途中に橋が3つ、公会堂が3つ、火の見やぐらが2つ、牧場が1つ、民家と田んぼは山ほどあるし、山は山でそこらじゅう山だらけだ。それを、たぶん B4 だったろう、藁半紙1枚に書けという。そんなもん、書けるかぁ。
「先生、ぼくら、ごっつ長い道やもん、省略して書いてもええか」と言うと、小林先生は「うん、かまへんよ」と言った。柴田先生だったかも知れない。柴田先生なら、「はい、良いですよ」だな。
ともかく、次の日、木原少年が提出したのは思いっきり省略した地図だった。
